サビた避難はしごの交換
非常ベルの交換
連結送水管の耐圧テスト
火災報知器と火災受信盤
消火栓のフート弁交換
二重天井で火災報知器を増設
消火器の特性と適材適所
サビた避難はしごの交換
ビルやマンションのバルコニーなどでよくみる避難はしごですが、防水ではあるものの、やはり経年劣化と共にサビてしまうことがあります。
最近の梯子はステンレス製でサビないものがほとんどですが、昔のタイプはそうではない場合が多々あります。特に梯子と土台のコンクリートを接合する部分がサビやすく、そうなると折りたたんで収納されている梯子が伸ばせなくなります。
いざという時、梯子が降りなければ、大惨事を招いてしまう可能性がありますので要注意です。最新の避難はしごはフタの部分もステンレス製でサビにくいうえに、チャイルドロック機構付きです。イタズラしてフタを開けてしまい、落下するということがありませんので安心です。
非常ベルの交換
室外に接地されている場合は、雨風に晒されているわけですからサビもでやすく、製品の寿命もおのずと短くなってしまいます。
非常ベルは、間違えて押してしまわないようボタンが少し硬めに設定されているのですが、サビてしまうと、相当の力を加えて押さないと作動しない、という場合もよくあります。
一方、室内に設置してあったとしても、内臓の電池が切れてしまうと使えなくなってしまいます。
電池が切れてしまえば当然ボタンを押してもベルはなりませんし、ランプが点灯していないので視認性も悪く、どこに設置されているかわかりづらくなってしまいます。
連結送水管の耐圧テスト
ビルやマンションには、1階に送水口というものが設置されています。ここに消防車(ポンプ車)のホースをつなぎ、高圧力の水を流し込んで、3階以上のフロアに設置されている放水口へ水を送り、その水を活用して消火するというシステムです。
1回の送水口から上階の放水口へとつなぐパイプには相当な水圧がかかるのですが、サビなどが原因で、圧力が加わった際に穴が開いて水が漏れてしまう場合があります。その問題を未然に防ぐため、定期的に消防車を現場へ向かわせ、実際に高圧力の水を流し込み問題がないか確認する「耐圧試験」というものを行います。
その昔、実際の火災現場で、パイプに穴が開いてしまい放水できなかったという事故がありました。それを教訓に、東京のある地域では、2台しかなかった消防車を、点検でも活用するために30台に増やしています。
送水口から放水口へつながるパイプは、一度地中を潜るのですが、その部分がサビやすく、耐圧テストで問題が発覚するのもその部分がほとんどで、多くの場合はパイプ交換することで解消されます。
火災報知器と火災受信盤
火災報知器は火災を察知すると、管理室にある火災受信盤へ火災を通知します。
おおむね15年で交換すべき機器なのですが、頻繁にリニューアルされており、あるメーカーの火災受信機はこの10年で10回もリニューアルされているものもあるのです。つまりそれだけ改良が加えられており、進化しているということですから、あまり古いものを使い続けるのはよくありません。
たとえば報知器の誤作動や非火災による作動への対応です。なかには火災報知器の下でドライヤーを使っていて作動してしまったというケースもあるのです。
管理者は非火災での通知を面倒くさく思い、火災受信盤側で報知器の機能を切ってしまうという方が意外と多くいらっしゃいます。そうなると実際の火災で報知器が感知しませんし、それが原因で火災が広がってしまった、というケースが実際にあるのです。
最新の火災受信盤は報知器の機能を一時的に切っても時間経過で復活する仕組みになっているので、このような人災は起こりません。
消火栓のフート弁交換
消火栓は消火層に溜められた水を汲み上げ、消火するための機器です。
消火層から水を汲み上げるには、地中に埋設した部分にあるフート弁というものがしっかり機能していることが重要で、機能していないと水が吸い上げられません。
常に水に浸かっている分部であり、鋳造品である場合も多く、サビが出やすい部分でもあります。また消火層の水は流れがないため沈殿物が溜まってしまうことも多く、それがフート弁に詰まって壊れてしまうこともあります。
地中に埋まっているため、目でみて確認ができない部位でもありますので、定期的な点検や交換が必要になってきます。
二重天井による火災報知器の増設
リフォームや改装を等をした際、二重天井にしたため、元の天井に設置されていた火災報知器を塞ぐように天井を設置してしまったがために、火災報知器が機能しなくなっている場合があります。嘘のような話ですが、実際にあるのです。
たとえば大きな工場の中に小さなプレハブ事務所を設置したとします。その場合、新設のプレハブと元の大きな工場の両方に天井があることになり、どちらにも火災報知器の設置が必要になるのですが、実際は見積もりを低く見せるために、プレハブ側の火災報知器の設置や告知をせずに施工してしまう業者がいるのです。
また今のご時世、自宅やマンションで防音室を作る方もいらっしゃいます。その際、壁や床、天井に吸音材を張り付けたり、箱のような防音室を設置する場合もあります。そうなると必然的に二重天井になってしまい、防音室の中にも火災報知器を設置する必要がでてきます。ですが見積もりを低く見せるために、そのことを告知せず手軽さやリーズナブルな価格を売りに施工してしまうケースもありました。
設置した後に火災報知器が必要なことが発覚し、余分に費用がかかってしまったということですが、その場合も多額の費用を請求されてしまう場合が多いようです。もちろん、当社のような専門家に直接ご依頼いただければ、抑えた費用で施工出来る場合が多いです。
消火器の特性と適材適所
粉末系消火器
速効で火勢を抑えて消火します。浸透性がないので可燃物によっては再燃することがあります。放射時間が比較的短いので、火元を的確に狙うことが大事です。
水系消火器
冷却効果が高く浸透性があり、再燃を防止します。放射時間が長いので落ち着いて消火できます。
ガス系消火器
対象物に入り込み、窒息効果で素早く消火します。消火薬剤がガスなので電気施設や精密機械なども汚損しません。